MOONLIGHT

 

いつまでも進まない時間をちょっと進めて欲しい

なんとなく感じてる不安を忘れたいよ DJ

 

大学の卒業式で、ずっと亡霊のように取り憑いていた憑き物が取れるような出来事があった。

 

2年生の秋に絶縁されていた友達が、卒業式の後の記念パーティーでたまたま近くの席に座っていて、このまま話しかけなかったらわたしは一生後悔するんだろうなと思って話しかけた。その子は案外普通に話してくれて

「今はお酒飲んでるから話せるけどシラフだったら無視してたと思う〜!」なんて笑って話してて泣いてしまった、他の友達もみんないたのに。

その時に消された連絡先を交換してこないだ久しぶりに2人で会う約束をした。池袋で待ち合わせて、もしかしたら約束ブッチされるかも、とか思ってたけど普通に待ち合わせ場所に来てくれた。「シラフだと緊張するから酒飲んできた」と言ってて、わたしも酒飲んでから来ればよかったとか思ったりもした。

空白の2年間で何してたの、今の彼氏とどう、なんて普通の友達とする会話ができてわたしはどうにかなってしまいそうだった。

お茶も飲み終わってどうしよっかこれからなんて話したら突然「花火したいんだよね」ってやっぱりこの子はすっとんきょうなことを言うなぁなんて思ったりもして、でも2年前も2人でいる時はすっとんきょうなことばかりしていたなと思って嬉しかったんだよ素直に。

池袋のドンキの奥底にしっとりと花火が売っていて「花火屋の本気(マジ)」と名付けられた花火を買って江古田に行った。江古田駅前で警察と花火したくね?とか話してたけど結局大学の裏公園に行ってストロングゼロを飲んだ。ストロングゼロを飲みながら、こんなことあったなとかあんなことあったねって話してたら気分が良くなってきて花火屋の本気(マジ)に火をつけたけどもっと本気(マジ)を見せつけて欲しかった燃え具合だったので残念。

f:id:xoxojom:20190417231945j:image

そのあと2人で居酒屋に行ったけど何を話したかあんまり覚えてない。江古田駅前でよく三人で遊んでた先輩と合流して飲酒したけどこっちも覚えてない。けどわたしがずっと待ち望んでいた日が来たんだなと思えた、捨てたもんじゃないね、人生。

 

彼女と会ってたくさんの面白い思い出ができて、今再び出会えたけどわたしも彼女も変わってしまったんだなと感じた。

わたしに文章を書くことを教えてくれた彼女は、もう文章を書くことはやめたと言っていたけれどわたしはこれからも書き続けると思う。彼女が吸っていたからわたしも吸い始めたハイライトメンソールは、今でもたまに吸っているらしい。そこだけ変わっていなかったことが妙に嬉しかった。わたしはきっとこれからもハイライトメンソールも吸い続けてしまうんだろうな。

 

前よりも丸くなって、クラブで知らないお兄さんと抱き合って渋谷でケータイ無くしたことも、駅前でパーティーしてたら変なおじさんに絡まれて走って逃げたことも、ストリートミュージシャンと仲良くなってレイトショーを見ることも、部屋の中でシャボン玉したことも、江古田ローソンの前で待ち合わせして煙草吸ってバカみたいに騒いで散歩することも、もうないね。

2年前には戻れないけどいつまでも記憶の中で輝いているね、またこうして会えたらいいな。

さようなら。ありがと。

 

パーティーの最後はきっと出会うよ

君なら大丈夫